平成12年は河又・大醤グループの創業200年を迎える節目の年である。企業の寿命30年説からすると、ゆうに6倍を越えている。河又・大醤グループの中核事業とは何か。それは醤油業である。醤油業は日本の伝統産業であるがゆえに、本業界では創業300年を超える企業も少なくない。河又・大醤グループを含めたこれらの会社がただ単に伝統を守って祖先の遺したものを引き継いできたのではない。幕藩体制から今日の民主国家へと目まぐるしく変わった国家体制の変動、伝統産業にも襲いかかった産業革命の嵐、戦後の流通革命をはじめとする幾多の大波を乗り越えて今日があるわけで、自己改革なしではこれらはなしとげられなかった。
 河又・大醤グループの始祖・初代河内屋又兵衛は寛政12年泉州・堺の地で醤油業を始めた。河又醤油の始まりである。西欧では近代国家が続々と誕生した時期で日本でも江戸幕府が安定期から動乱期を迎える過渡期でもあった。古い封建制度下での船出であったが、直ちにその崩壊という荒波にもまれることとなった。江戸時代前半までは日本最大の醤油生産地であったが、その後衰退しかけた堺の醤油業を支え、最後の江戸積み醤油で活躍した。